研究者を目指すという熱病

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大学院での生活 雑記③

 前回までの記事に引き続き、今回も大学院での生活について思うところを自由に書いてみたいと思います。前回までのふたつの記事では、雑記①院生(学生)自治組織と、雑記②所属院生数の減少について書いたのですが、今回の記事ではこれらふたつの内容に関連することについて取り上げてみたいと思います。

 さて、私が所属する大学院(法学研究科)には、現在残念ながら、D2とD1の院生が一人もいません。そのことが原因で、私が3年間、所属院生が強制加入となっている院生自治組織の委員長を3年間(D1ーD3までの期間)務めることなってしまったことはすでの述べた通りです。また、私だけでなく、会計委員といった他の重要な執行委員も、同じ院生が3年間引き受けてくれるという状況にありました。このように、この数年間は、数少ない院生によって自治組織の執行委員を回していくことになりました。また私が執行委員を務めていなかった修士の頃は、場合によっては、オーバードクターにあたる先輩にも執行委員を務めてもらうというような状況にありました。

 このように文字に起こしてみると、これまで、ごく少数の院生により、おおよそ自転車操業のようなかたちで自治組織を運営してきたような気がします。とりわけオーバードクターにあった先輩に関しては、研究に集中しなければならない時期であるにもかかわず、(自治組織の活動が重要であるということを前提にするとしても)委員を引き受けなければいけない状況にあったということは、とてもしんどかったのではないかと思います。そうした意味でも、少数の院生だけで院生自治を守っていかなければならないということは、負担がかなり大きいものだったと思います。

 そうした状況のもとで、さらにそれに加えて、自治組織は団体として、教員の先生方や事務の皆様から伝統的に請け負っていた大学院・学部新入生の入学手続関係のお仕事や、その他にも様々なお仕事を依頼されていました。その他にも、院生個人が大学と契約して依頼されるTAの仕事もありました。これらのお仕事は、当時、(半)強制的に引き受けなければならないと院生の中で受け止められていました。

 これに対して、結果的に、そうした依頼に応えられるだけの院生の数が少なかったこと、そして院生の負担に鑑みて、(正確には、以下で述べる対応方針は、すでに院生に依頼されるTAに対する対応の中で先輩委員長により形成されつつあったのですが)私が委員長になった時には、他の院生に無理に仕事を引き受けるようお願いしないような対応を取ることにしました。仕事の欠員が出た時に、個別にメールでお願いをして回るというようなことも一切しませんでした。

 この方針は、今でも正しかったと確信しています。

 あくまで私の経験に照らして話すと、修士の頃は真面目にそういったお仕事に協力していたのですが、正直に言って、それを引き受けたことで疲弊したり、ストレスを抱えたりしてしまいました。その私から見ると、他の院生の方も大変そうだというふうに映りました。

 そのようにして、私は、本来、院生は研究に集中すべきだし、個々の教員や事務の人たちからのお願いをかなえるために疲弊してしまうくらいであれば、自分のことを一番に考えてくれている指導教授の先生を安心させるためにも自分の研究に集中すべきだと考えるようになりました。

 おそらく、院生数が多ければ、ここまで述べてきたような状況というのは生じなかったのかもしれません。上でご紹介したお仕事を積極的に引き受けたいという院生が入学していたかもしれませんし、あるいは、もっと多くの院生が在籍することによりお互いの負担が少ない状況の中で院生間の分担が可能になっていれば、それぞれの院生疲弊することなく、それらのお仕事を引き受けることができていたような気がします。

 本記事は、所属院生数の少なさが、こうしたかたちでも院生の無用な負担の引き金になっていたということをぜひ書いておきたいと思い、書き記した次第です。ここまでお読みいただきどうもありがとうございました。

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