研究者を目指すという熱病

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大学院での生活 雑記①

 こんばんは。

 本日は表題のとおり、大学院での生活について、特にタイトルを決めることもなく思うがままにダラダラと書き連ねていきたいと思います。とはいえ、この記事のざっくりとした大枠を書くとすれば、「院生(学生)自治組織にまつわる雑記」になるかと思います。

 さて、以前のブログ記事でも書いたとおり、自分は、所属する研究科の院生が強制加入することとなっている院生自治組織の委員長をやっています。本来であれば、D1(博士後期課程1年生)という一番時間的余裕のある時期に、1年間務めるか、あるいは、他のD1の院生に任せることができるのですが、うちの大学院は所属院生数―― とりわけ博士後期課程の院生がきわめて少ないことが原因で、現在のD3まで3年間務めることになりました。ちなみにいまD3なので、もうすぐで今年度の任期は終わることになります。

 中学・高校時代に学級委員長や部活動の役職さえ務めたこともない自分が、大学院に入って、ある程度のリーダーシップが求められることになるとは、正直に言うと、院入学時には想像だにしていませんでした。研究をするために大学院に入学してきたにもかかわらず、例えば、研究の進捗報告などが迫っている時期に、自治組織の総会などをはじめとする行事ごとの準備や事務ごとを行わなければならない時には、しんどいな、と感じてしまうことも少なくありません。そういった事務ごとというのは、大した仕事ではなく雑用に位置づけられるタスクも少なくはないのですが、そういったものが積りに積もっていくと、やはり、自分の頭が爆発しそうになります。というのも、元々、自分はなんでもそつなくこなせるという器用なタイプではありません。

 また、自治組織としてある程度の共同性をもって活動していく以上、そこでは、時折、自治組織の中で決定すべき問題について、意見が衝突することもあります。そうした衝突の中には、健全な意見の対立もあれば、時には、「なぜこの人からこんなことを言われなければならないのだろう」と思うようなこともあります。例えば、相手方の調査不足や事実関係の(認識の)誤りであるにもかかわらず、私の方針や決定に対して強い言葉遣いで反論されたこともあります。委員長を務めてさえいなければ、こんな嫌な出来事には遭遇しなかったのではないかと思うことさえあります。

 さらには、出席の必要な行事に現れなかったりする院生が出てくるなど、のちに話を聞いてみるとやむを得ない事情があった場合も含まれるのですが、私にとっては予期せぬ出来事から心配で頭が埋め尽くされる出来事が起きたりもします。

 

 以上のような、しんどかったこと、困ったことを挙げていくとキリがないような気がします。それでも、自分が院生の自治組織の委員長を続けてこれたのは、次のような理由があるかと思います。

 まず、私の前々任者にあたる先輩(私がM1の時の委員長)が、自治組織を情熱的に率いてくれていたことを挙げることができると思います。彼らのおかげで、私が院に入学してからのうちに、私たちたちの研究環境はずいぶん良くなりました。その事実が、委員長の引き受け手が他に見つからない中で3年間もの長い間委員長を務めるということを後ろ支えしてくれたと思います。正直に言えば、―― メンタル的にそれほど強くない自分にとっては――かなりストレスのたまる出来事に遭遇することもあったのですが、彼らのおかげで、大学院生の在籍数が減少し、本来であれば自治組織の執行部を支える博士課程の院生が減ってしまっても、その活動をストップさせずに次の世代に繋げるようがんばってこれたのではないかと思います。少なくとも、今後、研究環境が著しく悪化したり、あるいは、アカデミックハラスメントといった問題が生じた場合に備えるためにも、自治組織の活動を自分のできる限りの範囲で維持してきたことには意義があるのではないかと考えています。

 また、これは今から振り返ってのことなのですが、委員長を務めることで、他の院生と関わる機会をより多く持てたのではないかと考えています。うまくいく人間関係もあれば、うまくいかない人間関係もありましたが、月並みな言葉ですが、様々な価値観やその人の個性である長所・短所にふれながら様々な院生と関わりあった経験は、自分にとってプラスになるものでした。そしてまた、ある意味では忍耐を覚えることもできましたし、自分の中にこのような寛容さがあったのか、と自分自身で驚くこともありました。彼ら/彼女らとの関わりを通して、新たな自分自身を発見することもできたのではないかと思います。

 さらに、自分のこれまでの人生の中で、自分が属するコミュニティのために地道な努力をしてくれていた人に対する感謝の気持ちを抱くこともできました。それらの人の中には、例えば、中学や高校時代に積極的にクラス委員などを引き受けてくれた人たちも含まれます。誰かがやらなければならない仕事を率先してやってくれる人の存在というのは、ありがたいことだと思います。

 最後に、自治組織での細かくて、些末で、地味な事務作業を行ったことは、将来、もし自分が幸運にも研究者になれたとすれば、大学における事務にとても役に立つのではないかと考えています。

 このように考えてみると、大変でストレスフルなこともありましたが、自治組織の委員長を務めた経験は、――実のところ次の春季総会まで任期があるので振り返るには早いかもしれませんが――自分の人生の糧になっているように思えます。そして、つい直前ですでに述べたとおり、いつかこの経験を実際に役に立てるように、つまり、研究者として大学に就職できるように、日々の研究を精進したいと思います。

 今日はそういう雑記です。今日書いたことが、これをお読みになられた方にポジティブな言葉に映っていれば嬉しく思います。