研究者を目指すという熱病

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法学部への編入を目指して:2年制の編入予備校(2年目前期から受験直前期)における英語対

 今回は、記事の表題のとおり、 4年制大学への編入を目指す専門学校(編入予備校)の2年制コース(法学編入コース)に通っていた私が、専門学校2年目の前期から受験直前期までに、私自身が受講した英語対策の授業について紹介したいと思います。

 この記事は、2020年3月に大幅に加筆修正を加えたものとなります。

 ここでは、法学部の編入試験における英語科目において出題されていることの多い、英語の長文和訳について、予備校ではいかなる教材が使われ、いかなる指導が行われていたか、を紹介していきたいと思います。とりわけ、編入予備校に通うことを検討されている方や、編入試験の英語対策の方法に悩んでいる独学の受験生にとって参考となれば幸いです。

 なお、この記事を読まれる前に、下記のリンク先の記事をご参照くだされば幸いです。私が専門学校1年目の後期に、私自身が受講した英語対策の授業について紹介しております。

hougaku-0106.hatenablog.com

 

 さて、私が通っていた編入予備校の専門学校では、1年目の前期の学期末に、自分が編入を志望する学部を決めることとなっていました。つまり、受講生はそれぞれ、自らの志望学部によって所属するクラスが組み分けられていました。

 それゆえに、予備校の1年目後期からは、法学部の編入試験を具体的に念頭においた英語の長文和訳対策の授業が始まりました。

 またそれと並んで、私が通っていた予備校では、予備校内において定期的に行われる英語の実力テストおよび英語科目の期末試験の結果により、受講生の志望学部に左右されずに、純粋に英語力のレベルによって振り分けられたクラスごとの英語長文対策の授業も存在しました。

 大まかに整理すると、2年目前期まで(夏休みまで)はこの2つのクラスの組み分け方式によって、英語の長文対策の授業が行われました。

  この記事では、紹介の便宜上、第一に、純粋に英語力のレベルによって振り分けられたクラスごとの英語長文対策の授業を簡潔に紹介した上で、第二に、法学部の編入試験を具体的に念頭においた英語の長文和訳対策の授業について紹介したいと思います。またこれらの授業とならんで、神戸大学などのためのTOEICや、関西学院大学総合政策学部編入試験を念頭においた英作文の授業も行われていましたが、この記事では割愛させていただきます。

 

 まず、①の純粋に英語力のレベルによって振り分けられたクラスごとの英語の長文和訳対策の授業が、予備校2年目の前期に週1コマ分割り当てられていました。「比較英書講読」というような授業名だったと記憶しています。この授業には、法学部への編入を志望する学生だけでなく、文学部、経済学部といった学部への編入を志望する学生が参加していました。

 それゆえに、この授業では、「法学」とは関わりの薄い英文を読み進めました。

 この授業は(もまた)、いわゆる高校の「リーディング(Reading)」の授業と同じ教授形式で進められました。すなわち、事前に予習するよう指示された英文を精読したうえで、授業の中で、先生によって指名された受講生が英文の一文ないしパラグラフずつの翻訳を解答した後、先生が学生の翻訳を修正しつつ、適宜、文法を解説するという形式で授業が行われました。

 この授業では、私が志望する「法学」とは関わりの薄い英文を読み進めることとなったのですが、担当講師の熱心さに触発されることによって、英語を読む力をつけることができたと思います。元々、中学時代から語学の学習が苦手だった私でも、予備校において強制的に、英文を浴びるほど読まされた機会を得たおかげで、徐々に、英語の学習が苦にならなくなっていったような気がします。ここでお世話になった先生には、今でもとても感謝しています。

 すでに述べたとおり、この授業は2年目前期までの配当となっており、それ以降は、私たち受講生は、それぞれの志望学部ごとの編入英語対策に集中することとなりました。その対策が、次に説明する②の授業です。

 

 次に、②法学部の編入試験を具体的に念頭においた英語の長文和訳対策の授業について整理してみたいと思います。

 まず、②(a)2年目前期から編入試験期間中までの通年にわたって開講された法学専門英書購読」という授業がありました。

 この授業では、当初は、予備校1年目の後期から読み始めた堀田秀吾ほか『Law in Japan,Law in the World.英語で学ぶ日本の法、世界の法』(朝日出版社、2012年)を、も読み続けることになりました。

 この授業の詳細については下記のリンク先の記事を参照していただければ幸いです。

hougaku-0106.hatenablog.com

 

 もっとも、この授業では結局、本書を最後まで読み切ることとはなりませんでした。というのも、本書に収録されていた英文は、編入試験の英語長文対策としては易しすぎる(読みやすい)ものであったからです。たしか6月頃に「こんな簡単なもの(英文)を編入試験の直前まで(7月の終わりまで)読み続けますか?」という、この授業を担当された講師の先生の一言によって、本書の講読は残念ながら、終わってしまいました。

 この6月以降、この「法学専門英書講読」の授業では、12月の受験期間中まで、法学部の編入試験において実際に出題された過去問の英文を解くことになりました。1回分の授業で、おおよそ過去問1つを解きました。授業で取り扱われる過去問は、受講者の志望校を聴きとるかたちで選定されました。難関校の過去問が優先的に取り扱われたという印象をもっています(これは、受講生が20人ほどの集団形式の授業が抱えるデメリットだと思います)。また、夏休みの夏季講習中は、週のコマ数が増えたので、それなりにハードであると感じました。

 授業は、(a)事前に予習してくるよう指示された過去問の英文を授業の中で講師の手ほどきのもとで読み直すという形式や、(b)1コマ90分の授業時間中に、40分ほどの制限時間を与えられて、本番さながらに辞書なしで過去問の英文を和訳した後に、残りの時間を使って、講師によって指名された学生が自分の和訳を答えるという形式で、行われました。編入試験直前期は、後者の形式で行われることが多かったです。

 とりわけ、私の記憶に残っているのは、私の志望校の過去問が取り扱われた授業回では、講師の先生によって何度も何度も繰り返し自分が作成した和訳を答えるように、指名されたことです。自分の和訳は本当にボロボロで、授業中にマジで泣きたくなりました(笑)良い思い出です。話が脱線しますが、この経験のおかげで、大学院におけるドイツ語の学習に耐えることができたのかな、となんとなく振り返ることができます。

 さて、話を戻したいと思います。

 この授業では、いわゆる「集団授業」の形式が採られていたわけですが、やや問題があったのも事実です。その問題は、先ほど簡単にふれた、この授業において難関校の過去問が優先的に取り扱われたことが原因があったと思います。

 授業では、難関校の過去問が優先的に取り扱われしまったことが理由で、これらの大学に受験する力が足りないと(自分の中で)考えてしまった受講生が、徐々に、授業に姿を現さなくなってしまいました。

 この予備校では受験直前期である夏休みも夏期講習として授業が行われたのですが、-夏休み中ということもあって気が抜けたことも相俟って-法学編入コースには全員で20名ほどが在籍していたにもかかわらず、お盆休み直前のこの授業には、-最も参加者の少ない日には-私を含めてたった3名しか参加しないという状況になってしまいました。

 ここで確認したいのは、少なくとも、授業で取り扱う過去問の選定に不満を持っていた受講生も存在していたことです。より具体的にいえば、自分の志望度の高い大学の過去問において出題された英文の構文や和訳の上手な処理の仕方を、講師の手解きによって授業中に丁寧に確認したかったにもかかわらず、結果的には、それを後回しにされた受講生も存在したということです。これは、個別指導のスタイルではなく、集団授業形式だったということによる「問題」かもしれません。

 それゆえ、実際にこのような「問題」を垣間見た私からすれば、予備校への入学を検討されている方は、自分のレベルにあった指導を十分に受けれるかを、キッチリと調査することをお奨めします。ひょっとすると、この記事をお読みになってくださっている方の中には、英語が苦手だったことが理由で、大学の一般受験でうまくいかなかった方もいらっしゃるかもしれません。そのような方にとっては、どちらかといえば、できるかぎりマンツーマンや少人数制で、英語の文法知識や構文について丁寧に教えてもらえるような予備校に通った方が望ましいと個人的には思います。

 幸いなことに、夏休みの間に授業を欠席していた受講生も、自分の志望校が取り扱われることとなった受験の超直前期(秋頃)にはふたたび授業に戻ってきたのですが、彼らが休んでいた時期も、もう少し手厚いフォローが予備校側からあれば、彼らにとってもっと良い受験結果に繋がっていたのではないか、と(私が)考える元同級生が少なくありません。

 大要、このようなかたちで、②(a)「法学専門英書講読」の授業が行われました。

   

 次に、予備校2年目の前期には、②(b)「専門英書講読(総合)」という授業がありました。この授業では、バートランド・ラッセル(牧野力 註解)『WHAT IS DEMOCRACY?〔民主々義とは何か〕』(成美堂、1991年)を読み進める授業が2年目の前期に開講されました。この授業には、法学・政治学国際政治学などを含む)を大学で勉強することを志望する受講生が広く参加していました。

  本書は、ラッセルの講演を纏め直したものです。英文に対応する和訳は付されておりませんが、末尾に牧野力先生による註解がなされています。個人的には、読み進めることにそれなりに苦労した記憶があります。

 授業形式は、高校の「リーディング」の授業をイメージしてくださって構いません。

 以上のように、予備校2年目前期には、英語の長文和訳対策の授業だけでも、3つの授業が週に1コマ割り当てられていました。英語教育は非常に充実していたと思います。

 

 予備校2年目の夏休み(8月の初め)からは、②(b)「専門英書講読(総合)」の授業においても、法学部の編入試験において出題された英文を読む授業に切り替わりましたつまり、受験直前期といえる8月からは、上述の「法学専門英書講読」とならんで、「専門英書講読(総合)」の2つの授業において、編入試験の過去問の英文を講師が解説する授業に切り替わりました。これらの授業は、夏休みから編入試験中の12月まで、行われましたなお、「比較英書講読」の授業は前期までで終わりました。

 さて、②(b)「専門英書講読(総合)」の授業では、上記の②(a)「法学専門英書講読」の授業では潰すことのできなかった編入試験の英語科目の過去問を潰していくことになりました。授業で取り扱う過去問の選定にあたっては、比較的、受講者の希望を幅広く万遍なく叶えられていた記憶があります。授業の形式自体は、上記の「法学専門英書講読」と同じでした。

 さて、これらの授業において講師から共通して徹底的に強調されたことというのは、英文の構文さえ取り間違えなければそれほど減点されるわけではないので、英語のテクニカルタームの暗記が追いついていなくとも、それほど神経質になる必要はないということでした。このことは、(いま私が振り返ってみても)学部の編入試験に限らず、おおむね、大学院の院試においてもあてはまることだと思いますし、当時の自分たちに適切なアドバイスをしてくれたと振り返ることができます。

 また、編入試験における専門科目では、どうしても自分の不得意な知識が問われることもありうるので(例えば、法哲学が苦手なのにそれが試験に出てしまったとか、一生懸命、法学についての勉強をしたにもかかわらず、法学部の編入試験において経済学などの知識をはじめ社会科学の広い知識が試験本番で問われてしまった場合などを念頭において)、少なくとも、英語の基本的な文法・構文の知識だけは試験会場で正しく読み取れるようにしよう、というようなことを繰り返し、講師の先生方は共通して述べられていました。

 実際、私も、試験本番で政治学の英単語がまったく分からずに推測で答えてしまい、試験後にその誤りがすぐに判明したのですが、それでもなんとか合格することができました。それゆえ、まずは、大学(一般)受験レベルの参考書を使って、基本的な英語の知識を得た上で、過去問の問題を解いてみるということが大事だと思います。

 

 さて、さらに、上記の授業とならんで、③私の通っていた予備校と同じ系列校の予備校によって作成された「編入試験の過去問において出題された英文と、その試訳が纏められた冊子」が配布されました。この冊子の英文と和訳を参照しながら、英語の長文対策を進めていきました。

 最後に、④授業では取り扱われることのなかった過去問については、授業とは別に、受講生が個別にお願いする形で、自分が作成した和訳を添削していただくこともできました。私個人は、それなりに手厚く個別指導をしていただけたので、とても感謝しています。

 もっとも、受験シーズンに入ってしまった後は、この個別指導も「順番待ち」状態になってしまったので、和訳の添削をしていただくのに少し時間がかかった時期もあったのが正直なところです。

 

 私が通っていた予備校では、このようなかたちで英語の編入試験対策の授業が行われていました。このブログ記事が、とりわけ、編入予備校に通うことを検討されている方や、編入試験の英語対策の方法に悩んでいる独学の受験生にとって、予備校の授業の雰囲気を掴むための参考となれば幸いです。

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